海外出張に行って辛かったこと【元総合商社マン体験談】

今回は、私が初めて海外出張に行った時の失敗談を元に、大変だったことをまとめてみました。

すべて私の経験談に基づいております。また、その時に実際に私が実行した解決策も合わせてご紹介します。

将来、海外企業を相手に仕事をしたい方、海外を飛び回って仕事がしてみたい方のご参考になればと思います。

海外出張で辛かったこと

さて、私が総合商社に勤務していた時は主にバイオマス関連の商材を扱っており、月に1回くらいのペースで主に東南アジア海外出張に行っていました。
(主に、タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポールなど)

任務は主に以下の通りです。

・荷役の立会い
・サプライヤーとの来期の値段交渉
・新規見込みサプライヤー調査

その1:会議の内容が全くわからない

初めて海外出張を任されたのは、社会人2年目の終わり頃でした。インドネシアのサプライヤーには、一目見ただけでも私が新人だと勘付いていたようです。

現地企業とのミーティングがはじまり、日本人は私一人だけ。相手の都合が悪そうな話になると、あえてインドネシア語が飛び交う状況に困惑したことを覚えています。内容が全くわからないため、交渉どころではありませんでした。

ビジネスシーンでは英語を使用することが基本ですが、東南アジアのように母国語が英語ではない場合は、現地の言葉を話されることがよくあります。
その際は、共通言語を英語にしてもらったり、ゆっくり話してほしい旨を正直に伝えることをお勧めします。

その後、彼らに相談し、「情報はopenでいこう。これ以上インドネシア語を多様する場合、レコーディングしてもいいか?」と尋ねたところ、英語に変更してくれました笑

その2:現地の文化に慣れず

海外の企業を相手にする場合、そもそも働き方の文化に違いがあることを十分理解しておきましょう。

時間通り来なかったり、約束を守らなかったり、昨日と言っていることが違ったり、、、、これらはよくあることで、避けては通れない部分です。

当時、私が担当していた現地サプライヤーの中にも、約束していたことができていない、面談時間に平気で遅れる、ひどい時は嘘をつかれることもありました。笑

実際に現地に行ったとき、約束していた商材の数量が足りておらず、大きなトラブルになったこともあります。「そんなことは約束した覚えがない」と言われかねないので、この経験以降、彼らとの会話の内容は議事録や備忘録など、必ず書面で残すようになりました。

また、港にて積み込みを行う際には、タバコを吸う現地作業員が目立ちました。当時、我々が扱っていた商材はとても引火性の高いものだったので、ここはしっかり言わないといけないと思い、注意しました。

その港でおそらく私が一番新人で、若いのですから、現地作業員は気に入らないところもあったかと思いますが、渋々理解してくれました。

このような考え方の違いは、彼らのライフスタイル、いわば文化なので改善しようがありません。悪気がないのです。むしろ、こちらが強く非難しても相手が反発する可能性もあり、逆効果になっています。

ただし、ビジネスにおいて、外国人と接する場合は、相手の考えも尊重しつつ、譲れない一線は引いておきましょう

その3:想定外なことがたくさん

当時、1週間の滞在の予定だったのですが、突然のスコールが頻発し、荷役が進まず。
結局2週間ほど滞在しなければならなくなり、日本で決めていたアポは全てキャンセルしなければいけませんでした。

また、インドネシアへ行く際には、Arrivalビザを使用していたので、空港の税関ではどの会社に行くのか?どんなビジネス目的での入国か?など特に厳しくチェックされます。そのなかで「お前は本当に日本人か?」と怪しまれ、2時間空港内で拘束されたことがあります。笑

フライトの変更や、ホテルの延長、海外出張ではまず当初の予定通りにはうまくいかないと思っておいたほうがいいでしょう。その際も慌てず、わからないことがあればホテルや空港のカウンターなど、周りに助けを求めましょう。

その4:現地の情報が不足

私は過去に、マレーシア東部にある「ラハダトゥ」という地区のサプライヤーに会いに行ったことがあります。

行ってびっくり。そこは日本からは渡航注意勧告が出るほどの、治安の悪い地区でした。なんと港にはいまだに海賊が出るのです。(本当です笑)

危険区域。治安最悪。上司は車上荒らしに遭ったりもしています。

そんなところで、いつものようにスーツを着ていこうものなら、「襲ってください」と言っているようなもの。あえて、カジュアルな服での移動や、外出時の貴重品の持ち運びは特に細心の注意が必要でした。

初めて行く国に関しては、どんなビザがあるのか?通貨、為替、時差、治安、宗教の違いなどの基本的な知識は持っておきましょう。

外務省の海外安全ホームペーシをみるとその地域の治安や、危険度、感染症危険情報に関する最新情報も確認できるので、ぜひ活用してみてください。

外務省 海外安全ホームページ

その5:食事に慣れない

人間にとって、突然、食事の内容がガラッと変わることは時にストレスに感じます。
すぐに異国の食事に合わせられる方は問題ないですが、私の場合、ちゃんとした日本食が食べられないのは、かなりストレスに感じました。
(もちろん現地には日本食レストランも多くあるのですが、やはりどこか味が違う感じわかりますよね?笑)

私の場合は、クライアントが終始、付きっきりでアテンドしてくれていたので、良くも悪くもすべての食事をセッティングされていました。

彼らの思いとして、自国のご飯を堪能してほしいというご好意も大変ありがたく思いますが、やはり日本食が恋しくなるのです。
(当時新人だった私は、「ホテルに戻ってカップラーメンが食べたい」などとは口が裂けても言えませんでした笑)

また、昔から胃が弱い私は、水一つでも注意が必要でした。特に硬水ばかり飲んでいると、下痢になってしまうため、そんな時はコカコーラ0をよく飲んでいました。コーラは世界どこに言っても、同じ味なんだなと感動したことを覚えています。

帰国後に大変だったこと

現地では比較的行動の自由が許されたので、自分で都合のいいようにタイムマネジメントができます。

仕事が早く落ち着けばホテルでまったりしたり、観光したりできていました。
しかし、2週間後にいざ日本オフィスに戻ると、やはり勤務時間や行動がある程度規制されるので、窮屈に感じた記憶があります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
海外出張に行く際には、仕事内容以外にも以下のことで必ず壁に突き当たります。

  • 言語の違い
  • 働き方の違い
  • 食文化の違い

など、私が商社に勤務していた時の海外出張には常にトラブルがついて回っていました。

また、ビジネスで海外に出張するということは、旅行ではないことはもちろんですが、必ず何かしらの成果を持って帰らなければならないというプレッシャーもあります。

その為、まずはなるべく早く、現地の文化に合わせられるといいと思います。
その過程では多少のストレスを感じるかもしれませんが乗り越える先には素晴らしい力が身につきます。

私も、海外出張を繰り返すうちに、プライベートで海外旅行などに行った際も、基本的にどの国に行っても、怖いもの無し。トラブルが起きても柔軟に対応できるようになりました。

もし今後就職活動において、グローバルに働きたいと考えている方は、なるべく若いうちに経験できるような会社を選ぶことをおすすめします。

若いうちにいっぱい経験して、いっぱい失敗する。
その経験が、あなたを一回りも二回りも成長させてくれるでしょう!

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