英語を子どもに教える時にすべきこととしてはならないこと

大学院で言語学を学んだ著者の観点からいうと、小さい子の方がことばを覚えやすいというのは、間違いありません。

そのため、子どもを持つ親御さんなら、なるべく早くに英語を身につけさせたいというのが親心でしょう。

しかし、子どもに英語を教える時には、子どもだからこその、利用したい有利な点と、注意しなくてはならない点があります。

せっかくの英語教育を台無しにしないためにも、積極的にすべきこと・注意すべきことをまとめました。

積極的にすべきこと

ネイティブの発音に触れさせる

小さいころ英語を教える利点は、なんといっても、子どもの耳の良さを利用できることです!
子どもの言語音に対する感受性は、大人よりはるかに高いので、耳から聞いただけで、すぐに美しい発音をマネすることができます。

逆に言えば、発音をおろそかにしたまま大人になってしまうと、相当苦労して訓練しないと、美しい発音は身に付きません。

そのため、英会話講師が教える!子供にやってはいけない英語教育とは!?という記事でも触れられていますが、親がカタカナ英語で教えることはオススメしません。

なるべく英会話スクールや、通信教育などで、ネイティブスピーカーの発音に触れさせましょう。

英語=楽しいという印象を持たせる

子どもに英語を教える上で、重要視するべきことは、小さい時に、英語と楽しい記憶を結び付けておくことです。

著者のオススメは、『ディズニー英語システム』と、ベネッセの『こどもちゃれんじEnglish』ですが、子どもさんが、「楽しそう!」「やってみたい!」思える工夫を凝らした教材はたくさんあります。

そうすれば、たとえ子どもさんが途中で、「もう英語イヤだ……」と言い出して、英語を辞めてしまっても、いざ社会人になって、英語が必要になった時に、また勉強する意欲がわいてきます。

著者も、小学生の時、家の近くのおばさんが私塾を開いていて、お菓子目当てに通っていました。
その塾では、カルタ取りなど英語のゲームばかりしていて、英語力はさっぱり伸びませんでした。

しかし、現在英会話が楽しくて仕方ないのは、その時の記憶があるからこそだと思います。

子どもに英語を教える時にしてはならないこと

我流で英語と日本語を混ぜて聞かせる

例えば親御さんが日本語と英語で交互に話しかけるなどすると、子どもさんは、「日本語を話すべき状況」「英語を話すべき状況」区別ができなくなります。

教材などを使って、「今からは英語の時間」と区切る分には問題ないのですが、我流で英語と日本語をちゃんぽんで聞かせたりすると、「セミリンガル」といって、日本語も英語もうまく話せない子になってしまいます。

セミリンガル状態の治療には、根気よい努力と時間が必要です。だったら、親の間違った教育で、そもそもそんな状態にしないことが大切ですよね。

 

日本語教育をおろそかにする

小さいころに、「英語脳」を身に着けさせようと、英語と日本語を同時に教えようとするのは、オススメしません。

子どもさんは今、日本語を覚えている大事な時期です。

肝心の日本語能力が損なわれたり、日本人としての常識(ナーサリー・ライムと呼ばれる、「ももたろう」や「かぐやひめ」などの昔話、「ぞうさん」「チューリップ」などの童謡)が欠けてしまう可能性があるからです。

また、中学~高校など、ある程度年齢を重ねてからの英語学習は、国語力がものを言います。

そのため、むしろ「ももたろう」などの絵本の読み聞かせなどをして、日本語教育をおろそかにしないことをオススメします。

 

イマージョン教育について

イマージョン教育とは、家庭では日本語を使う一方で、幼稚園などではオールイングリッシュの生活を送る教育法です。

この場合、「家庭では日本語」「幼稚園では英語」ときちんとシチュエーションが分けられているため、子どもたちの混乱もありません。

この教育法によって、確かに一部の子供たちは、日本語があまり損なわれることなく、英語が堪能になるという話もあります。

ただ、イマージョン教育の練度は、幼稚園によって違うので、あまり上手にイマージョンができていない幼稚園もあります。

イマージョン教育で有名なのは、静岡県の加藤学園です。この学校は、幼稚園から高校まで英語漬け教育を行っています。

ただ、イマージョン先進国カナダでも、フランス語が話せない英語話者の子供たちに、幼稚園から高校までフランス語漬け教育を行ったそうなのですが、
確かに一部の子どもたちはバイリンガルになったものの、高校を卒業した後、子どもたちはみるみるフランス語を忘れていったそうです。

そのため、子どもさんにフレンチ・イマージョンを受けさせようとする親御さんまで少なからずいらっしゃることに、私は警鐘を鳴らしたいと思います。

イマージョン教育で英語やフランス語を教えても、「結局、単語や文法はすぐに忘れる」ということを念頭に置いておく必要があります。過度な期待は禁物です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

子どもの英語教育についてまとめると、優先すべきは、

  • ネイティブの発音に触れさせること
  • 英語=楽しいと印象付けること

です。また、注意すべきことは、

  • 我流で英語と日本語を混ぜて聞かせたりしないこと
  • 日本語力の育成をおろそかにしないこと
  • イマージョン教育をしても、やめると英語は忘れるもの

です。大切なお子様の英語教育のお役に立てれば幸いです。

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