みなさんは、ネイティブが使うアメリカンジョークを理解できますか?
今回は、アメリカンジョークの爆笑フレーズを使って、英語を学習していきましょう。
使う題材は、海外のコメディドラマや、映画などさまざまなジャンルから厳選しました。
また、それぞれのフレーズで押さえておくべき英語表現や、ネイティブが使うスラングなども詳しく解説していきます!
この記事はこんな人におすすめです!
- アメリカンジョークを使って楽しく英語を勉強してみたい
- アメリカンジョークで外国人を笑わせてみたい
- 外国人の笑いの「ツボ」を知りたい
海外のお笑いとは?
日本の漫才=アメリカのスタンダップコメディー
アメリカの笑いの文化はどういったものでしょうか?
日本を代表するお笑い文化といえば、「漫才」です。
漫才は主にマイク1本で2人のさまざまな会話を繰り広げていく中で、「ボケ」と「ツッコミ」に分かれ、言い合いや掛け合いの中から、聴衆の笑いを誘います。
それに対してアメリカは、1人のコメディアンが漫巧みな話術や漫談で笑いを取るという「スタンダップコメディー」が主流です。
アメリカ人の2つの笑いの「ツボ」
日本の漫才は、「ボケ」のキテレツな言動を「ツッコミ」が感情的に訂正することで、聴衆との共感が生まれ、笑いが生まれるというのが一般的です。
最近では「お笑い第7世代」という言葉をよく耳にするように、日本の笑いのツボというのは繊細なものから、大胆なものまで、世界と比べても非常に多種多様で、日々新しいお笑いが生まれています。
一方でアメリカ人の笑いのツボというと、絶対的地位に君臨する2つの要素があると思っています。
- ちょっと下品なネタ
俗にいう「下ネタ」といわれているものです(笑)。
海外のコメディードラマを見てもアメリカンジョークの大半が下ネタであったりするくらい、アメリカ人にとって「下ネタ」から生まれる笑いはとても馴染みが深いものです。
日常を描いたようなドラマや映画では、友達の彼氏/彼女を寝とったり、会社の同僚と不倫関係になったりという状況が日常茶飯事です。 - 皮肉ネタ(ブラックジョーク)
これも、スタンダップコメディーや、海外ドラマでも必ず出てくるボケの要素です。
日常生活での不満や、理不尽、自虐や劣等感もボソッとユーモアを加えることで、笑いにつながります。
また、日本語に翻訳したらちょっとドキッとするような、性的、国籍、人種などの違いを皮肉った冗談を言うという、いわゆる「ブラックジョーク」もこの中に含まれています。
おすすめアメリカンジョーク6選
実際に海外ドラマや、スタンダップコメディでは、どのような「アメリカンジョーク」が使われているのか、個人的に笑ったおすすめフレーズを使っていくつかご紹介していきます。
英語が苦手な人でも理解できるように、「どのような文法構造になっているのか?」、「どういった点が面白いのか?」も詳しく解説していきます!
「Boo」ってだれ?(ドラマ「フルハウス」より)
A:“Knock, knock”(コンコン)※ドアをたたく音
B:“Who’s there?”(だれ?)
A:“Boo”(ブーです。)
B:“Boo who?”(ブーってだれ?)
A:“Don’t cry, it’s only a joke.”(単なる冗談だよ、泣かないで。)
日本語に直訳してもどこが面白いのか、全く分からないですよね(笑)。
これを解説すると、Aが訪ねてきて、ドアをノックしているシチュエーションでのアメリカンジョークです。
このジョークのポイントは相手(B)に 「Boo who?」と言わせることです。実は、英語で泣く時は 「Boo-hoo」 と表現します。日本語で言う、「エーン!」や、「シクシク」といったところに近いです。
つまり、「Boo who?」と 「Boo-hoo」(どちらも「ブーフー」と発音)をかけたダジャレです。
特に難しい表現は含まれていませんが、「It’s only a joke.」 の「only」はこの場合、「〜だけ」というより、「ただの、単なる」という意味になるので、「ただの冗談だよ」という意味になります。
娘が彼氏と…。(ドラマ「フルハウス」より)
※お父さんが15歳の娘が彼氏と家でキスをしている瞬間を見てしまったという場面
父:I’ve heard after a minute and a half the brain dies without oxygen.
(脳は酸素がないと、1分半後に死んでしまうらしいよ。)
「キスばかりしていると酸素不足で脳が死んでしまうぞ。」というなんとも哀愁の漂うジョークになっていますね(笑)。
自分の娘が、長時間彼氏とキスをしていたことに対する嫉妬や戒めをユーモアを交えて表現しています。
month(月)、 hour(時間)、 year(年)などの 時間を表す単語のあとに「a half(半)」を加えることで、1ヶ月半、1年半などの意味になります。
最後の前置詞「without」は「〜なしでは」という意味になり、「酸素なしでは脳が死んでしまう」という意味になります。
赤いコスチュームの理由(映画「デッドプール」より)
“Why the red suit?” Well, that’s so bad guys can’t see me bleed. This guy’s got the right idea. He wore the brown pants.(「なぜ赤いコスチュームなんだ?」って。血を流すのが目立たないためさ。そこの彼も正解。茶色いパンツをはいてる。)
「デッドプール」はヒーローらしからぬ過激なセリフやシーンでR指定にもされている映画ですが、一部のマーベルファン、映画通からは絶大な人気を誇る作品です。
私もこの作品を何回も見てきましたが、特にお気に入りなのがこのセリフ。
敵との戦闘シーンで、特徴的な赤いコスチュームの理由を聞かれて放ったセリフです。
日本語訳のままですが、「赤いコスチューム=流血がばれないように」、「茶色いパンツ=うんちがばれないように」というアメリカンジョークです(笑)。
デッドプールは特に下品なアメリカンジョークや、他の映画を飛び越えて俳優や女優の皮肉を何度も放ちますが、聞くと思わずクスッと笑ってしまう憎めないキャラでもあります。
しかし、デッドプールが放つアメリカンジョークに関しては、日常生活で使うことはあまりオススメしません(笑)。
「see(見る)」は知覚動詞とよばれ、「see +人+ 動詞の原形(またはing形)」で「〜しているのを見る」となります。今回のセリフでは、「bleed(血を流す)のを見る」という意味になります。「wore」は「wear(着る)」の過去形です。
モテるためにヒーローに?(映画「デッドプール」より)
You don’t need to be a superhero to get the girl. The right girl will bring out the hero in you.(女の子を手に入れるためにスーパーヒーローになる必要なんてない。いい女は君をヒーローにしてくれる。)
これは作品の最後のセリフです。デッドプールはカメラ目線で観客に話しかけるシーンも多く、最後のセリフも我々に語りかけるように作られています。
最後のセリフは意外にも、クールなアメリカンジョークで終わります。直訳の通り、「女性にモテるために強く(ヒーロー)なるのではなく、女性があなたを強く(ヒーロー)にするのだ。」というなんともかっこいい名言ですね。
「need to 動詞」で「〜する必要がある」という意味になります。また、後半の「bring out +物(力)+in+ 人」という熟語は、「物(力)をあなたから引き出す」と意味になり、「あなたの内からヒーローの精神を引き出す」といったようなニュアンスになります。
クルーズの宣伝は難しい(ディミトリマーティンの「考えすぎる人」より)
A: Hey, do you like hotels?(ホテルは好き?)
B: Yeah.(うん。)
A: How about one that could sink?(沈むかもしれないホテルは?)
B: I can drown in my bedroom? Wow! Okay.(部屋で溺れるのも悪くないね)
ディミトリマーティンは世界を代表するスタンダップコメディアンの一人であり、私のお気に入りのコメディアンでもあります。彼のコメディーショーでは、マシンガンのように次々とアメリカンジョークを放ち、会場は常にどっかんどっかんとウケています。
数あるアメリカンジョークのうち、これは沈む可能性があるクルーズ船を皮肉ったジョークです。
また、「クルーズ船のプールで溺れ死ぬのはもっと嫌だ」と言い、以下のジョークを放ちます。
C: He drowned in the Pacific Ocean.(彼は太平洋で溺れたってね)
D: No, he drowned on the Pacific Ocean.(違う、太平洋上だよ)
太平洋の海の中で溺れたわけではなく、太平洋に浮かぶクルーズ船のプールで溺れたということで、「太平洋の上で」=「on」が使われたジョークです。
この「in」と「on」の違いだけで彼は、会場を爆笑の渦に巻き込んでいます。英語の前置詞の特徴を活かした、粋なアメリカンジョークですね。
電話番号のハイフンがなかったら…(ディミトリマーティンの「考えすぎる人」より)
※前置き
I think it’s cool that we have dashes in phone numbers. That’s good idea.
(ハイフンは画期的なアイデアだね。)
It’d be hard to get someone’s number without those little dashes in there.
(もしこのアイデアがなければ、電話番号を覚えるのは大変だね。)
A: What’s your number?(電話番号教えて)
B: Oh, sure. It’s 3,256,568…(もちろん!32億5656万8000にかけて)
A: Your number is huge. Just forget it.(桁が多すぎるよ、覚えられるか!)
彼のアメリカンジョークは世界共通のツボをしっかりおさえていますよね。
たしかに、電話番号の325−656−8000のハイフン(-)がなければ 3,256,568,000になってしまいますね。「huge」は「巨大な」という意味になります。
「forgot it (忘れたよ)」に「just」をつけると、少し否定的なニュアンスになり、「覚えてらんないよ」という意味になります。
会社などで、不手際があった際に、「just」はつけてしまうと、少し相手に不快な印象を与えてしまうので、「forgot it」だけ、伝えましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、アメリカンジョークから英語を学んでいきました。
また、どういったところが面白いのか?や、ネイティブが使う英語表現も多数おさえました。
アメリカンジョークを学ぶ際には、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどで、海外のコメディドラマや、映画、スタンダップコメディを見ることをオススメします。
作中に何発もアメリカンジョークが飛び出すので、自分のお気に入りを見つけて見てください。
自分が気に入ったアメリカンジョークがあれば、自分のものにしてしまい、ぜひ外国人の友達に試してみましょう。
中には、過激なスラングや、差別的な表現もあるので、使う際はなるべくみんなが笑えるような、平和なアメリカンジョークを選びましょう(笑)。
みなさんが、英語で外国人を笑わせられる日もそう遠くはないかも…!
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