小さいうちからお子さんに英語教育を受けさせているご家庭はとても増えてきていますよね。
3~6歳の未就学児童を対象にした、「子どもに人気の習い事」に関するある意識調査によると、「英語・英会話」は第4位。
5人に1人が英語を習っているという結果からも英語教育に力を入れている家庭が増えてきていることが伺えます。
しかし、むやみやたらに知識を詰め込ませるのではなく、効率的にかつ、本人が楽しみながら英語を学ぶことが理想です。
そういった環境を作るために、今回は子どもの英語教育の中で気をつけるべきポイントをまとめてみました。
その1:カタカナ英語
初めての英単語を発音させるときに、むやみやたらとカタカナで覚えさせるのは注意が必要です。
例えば、「 “rack”という単語を『ラック』と発音しようねー。」と教えます。
日本でも既に和製英語になっている家具のあの「ラック」と同じ発音です。
これだと、「rack」も「lack」も同じ「ラック」と発音することになります。
しかし実際は「R」と「L」で音が異なるため、この2つの発音は違います。
また、厳密には単語内にある「a」は「ア」ではなく、“ӕ”という「ア」と「エ」の間のような発音になります。この発音を表現できるカタカナは存在しません。
そうです。英語の音はカタカナでは表現しきれないということに原因があるのです。
デメリット
実際に、このカタカナ英語教育を受けてきた私は、当時「ラック」で覚えさせられてきました。
大人になった今、ビジネスシーンで使うために英語を本格的に英語を学んだ時、その時初めて「rack」が厳密には「ラック」ではないことに気づきました。
ここから私は間違って習った発音を「上書き」する作業をしなければいけませんでした。
しかも長年覚えてきた「ラック」という固定観念を払拭するのも大変、、、。
これってかなり効率が悪くて、二度手間ですよね?
小さいうちにできること
私の生徒の中でも、この教育をしっかり受けている子どもは5歳ですが、はじめから「red」を「レッド」とは発音しません。
ネイティブのように「d」はほとんど発音せず、あえてカタカナで表記するなら、「ゥレェッ + (聞こえるか聞こえないかくらい小さな)ドゥ」と発音しています。
この子は将来大人になっても、本当の発音を上書きするという面倒な作業は必要ないでしょう。
おすすめ
「ラック」など文字から、覚えるのではなくまずはネイティブな発音をそのまま真似するという、耳から学習をお勧めします。
教材は、英語の発音に関しては視覚的な記憶よりも、聴覚で実践的で自然な発音を習得する方が断然効果的です!
教材は、YouTubeなどにもたくさんあります。歌や音楽を織り交ぜて楽しみながら覚えられるコンテンツもたくさん増えてきているので、ぜひ活用してみましょう。
その2:なんでもかんでも和訳
子供に早く理解させたいがために、頻繁に日本語で訳したり、説明していませんか?
英語学習する上で、「極力、英語を英語で学ぶ」ということも重要なポイントの一つです。
日本語訳が癖になってしまう?
覚えた単語や構文をなんでもかんでも日本語に訳すと、「英語が入ってきたときにまずは和訳する」という癖がついてしまいます。これには注意が必要です。
例えば、英文を一語一句日本語に訳すということばかりしていると、いざ訳せない箇所が出てきたときに、思考が止まってしまいます。
リスニングも同様。聞いたものすべてを丁寧に和訳してしまうと、もちろんスピード(英語の瞬発性)が落ちます。和訳できないような箇所が出てくると、途端に理解が止まってしまうこともあります。
日本語はあくまで補足説明で、英語を英語で学ばせるように意識してみましょう。
中学校のAll-English化
小中学校でも英語学習の間はなるべく日本語を使わないような動きが活発になっています。
文科省がこの度、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」にて中学校の英語の授業について、「授業を英語で行うことを基本とする」と発表されました。
中学校の英語の授業もAll-English化されるということになります。
英英辞典がおすすめ!
個人的には、中学生以上の子どもならば、英英辞典を使うことをお勧めします。
わからない英単語を調べる際に、英英辞典を使用すると、その単語の意味が英語で説明されています。
例えば、「happy」という単語を英英辞典で調べると、「feelings of pleasure」と出てきます。これは「happy」を言い換えた表現です。
つまり、英英辞典を使うと言い回す力・別の言葉で説明する力が身につきます。
これは実際に英語で話すときに非常に大切な力で、仮に自分が言いたい単語が出てこなくても他の言い回しでフォローできる。とてもに有効的なスキルです。
その3:否定的な指導
頭ごなしに間違った回答を否定してしまうと、特に日本人の子どもは周りの目を気にしてしまうため、次に発言することをためらってしまったり、萎縮してしまうことがよくあります。
これは個人的な意見ですが、10歳程度までのお子さんであれば、一語一句文法を正すような必要はありません。
例えば、最初のうちは、「Are you happy?」という質問に対して、子どもが仮に「Yes, I do! 」と答えても全く問題ありません。
まずは、自分の意見(「はい」か「いいえ」か)を「Yes」か「No」で答えられたという事実を褒めてあげましょう。
質問に対して、ある程度慣れてきたところで、「じゃあ、Are you 〜?で聞いてるから、『Yes, I am.』 で答えてみよっか!」など問いかけて見て、それができたらまた褒めてあげるの繰り返しです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、現役英会話講師の観点から、お子さんの英語教育の中で、子どもがのびのびと英語を学ぶために気をつけるべき点をまとめました。
- 英単語はカタカナ英語ではなく、発音を聞いて「耳から学習」!
- すべての英語を丁寧に和訳するのでなく、英語を英語で理解することに挑戦!
- 子どもの回答をまず褒めてあげる、回答を正す場合は、ポジティブな表現を使った指導を意識する!
他の記事ではオススメの英語学習方法や、最適な英会話教室選びのポイントなどもまとめようと思います。
「全然成績も上がらないし、子どももイヤイヤやっている、、、」という環境よりも、「英語力もぐんぐん上がるし、なおかつ子どもも楽しそうに勉強している」という環境のほうがお互いにとってhappyですよね!
そういった学習環境を家庭から作り上げられるように心がけていきましょう!
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