近年、子どもに英語教育を小さいうちから受けさせたいと思っているご家庭も増えていると思います。
そこには昨今の急速なグローバル化に伴い、「早期英語教育」が重要視されてきた背景があります。
また、新型コロナウイルスの影響もあり、お家で授業が受けられるオンライン英会話の需要も非常に高まってきました。
そんな中で、
「子どもに英語を習わせたいんだけど、いつから始めるのがベストタイミングなの?」
「始めるのが遅かったらもう手遅れなの?」
と迷われているご家庭も少なくないと思います。
今回は長年英語教育に携わってきた、英会話講師の私が、幼児期に英語を学ぶメリットとそのベストなタイミングを伝授したいと思います!
結論:早ければ早いほど良い!
英会話講師の観点からすると、子どもの英語学習の開始時期は、早いに越したことはありません。
私が所属している、英会話教室の小学6年生の生徒さんを見てみても、物心つく前から常に英語に触れている環境で育ってきた子どもと、小学校入学から始めた子どもでは「聞く力」と「発音」に大きな差があると感じています。
個人差もあるとは思いますが、総じて早期英語学習を受けてきた子どもについては、英語そのものに抵抗がありません。
また、ネイティブ講師とも積極的に会話している傾向もあります。
英語学習のゴールデンエイジとは!?
早期英語学習の利点を、学術的観点からてみましょう。
アメリカのジョージタウン大学がこんな研究を発表していました。
「通常、大人が英語を学ぼうとする時に、『左脳』のみを使う。
一方で、幼児の場合は『右脳』と『左脳』の両方を使って言語を学習している。
」とのことなのです。
一般的に左脳は「言語脳」、右脳は「イメージ脳」と呼ばれていて、子どもの英語を学習するときは、この両方を使って、感覚的に言語を学習していることが最新の研究でわかりました。
この期間は10~11才で完了するそうです。
【Children’s brains hear language differently】(子どもの言語学習における脳の使い方)
私はこの期間を「英語学習のゴールデンエイジ」と名付けました。
この時期の英語学習経験は、一生ものの英語力につながるかもしれません。
早期英語教育の利点
その他にも、長年、多くの子どもと接していると、比較的早い時期に教室に通い始めた子には多くの特徴がある事に気がつきました。
英会話講師の経験から早期英語教育の利点をあげるとすると以下のようになります。
その1:カタカナ英語を覚える前に、ネイティブな発音をインプット
別の記事でも紹介しましたが、カタカナ英語を覚えてしまうと、実際の発音と異なることがあり、現地で通じないことがよくあります。(英会話講師が教える!子供にやってはならない英語教育とは!?)
日本には本来の発音とは異なるカタカナ英語で溢れかえっています。
誤ったカタカナ英語を覚える前に、ネイティブな発音を覚えてしまうことで、大人になって正しい発音に「上書き」する作業は必要なくなります。
その2:日本語を覚える感覚と一緒に英語も覚えてしまう
幼児期は日本語学習する大事な時期です。このタイミングで英語も一緒に学ぶことはとても大きな意義があります。
中には、日本語力が弱くなってしまわないかと心配される方もいらっしゃいますが、そこは心配する必要ありません。
厳密には母国語(日本語)と英語を学ぶときは、それぞれ脳の別の部分で処理されるので、子どもの脳内でこの2言語が、ごちゃごちゃになることはありません。
むしろ、中学生頃になると、「この日本語は英語でなんていうだろう」、またその逆もしかり。小さいうちに「日本語 ⇆ 英語」に置き換える力が養われます。
その3:遊びの延長線上で学べる
なんでも吸収できる幼児期に机に向かって黙々と勉強するという感覚よりも、遊びの一環として、英語を学ぶことができるのも早期英語学習のメリットです。
小さい頃から楽しみながら学ぶことで「英語=楽しいもの」というイメージが定着されるので、中学校から本格的に英語の授業を受けるときに良い英語に対して良いイメージでスタートできます。
日本人は英語のマスターに6年必要!?
日本は最近小学校から「早期英語教育」を導入しているところも増えてきました。
中には、小学校からでは遅いという声もあります。
FOREIGN SERVICE INSTITUTEの調査によると、日本人が英語をマスターするのに必要な時間は88週間(約2200時間)と言われています。
世界各国から見ても一番長い学習時間を確保しなければならないという研究結果になりました。
洗練された英語教育を1日1時間勉強したとしても、2200日。完璧に英語を使いこなせるようになるまでに、なんと6年もかかるのです。
必要な学習時間の点から見ても、早期英語学習の恩恵は大きそうですね。
世界の英語教育ってどうなの??
世界の英語教育はどんなものか比べてみましょう。
EF EPI 英語能力指数2019による世界の英語ランキングを見てみると以下のようでした。
【世界100か国・地域の英語力ランキング】
1位:オランダ
2位:スウェーデン
3位:ノルウェー
4位:デンマーク
5位:シンガポール
上記のような、英語教育に積極的に力を入れている国は保育園、幼稚園から当たり前のように英語学習が取り入れられています。
授業中の発言はもちろん、生徒どうしの何気ない会話でさえも英語が使われているから驚きです。
小学校に入っても、国語・歴史の授業以外の全教科を英語で実施しているようです。
中学に上がる頃にはほとんどの生徒が流暢な英語を話せている状態からスタートするんですから、日本と大きな差がありますね。
日本はなんと53位!
学校だけでの英語学習では、まだまだ不十分で、家庭でも足りない部分をなるべく早く補完してあげる必要があるということです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
英語教育において、幼児期とはその子が一生ものの英語力が培われるかどうかの大事な期間であると言えます。
また、早期にバイリンガルになった子どもは比較的簡単に、第3言語も習得できるという研究結果も出ています。
しかし!
仮に幼児期を過ぎたからといってもう手遅れというわけではありません。
私自身、子供の頃は、英語の勉強などは、ろくにやってこなかった側の人間でした。
しかし、サラリーマンになって一念発起し英語学習にどっぷり浸かるようになりました。
これほど早期英語学習の重要性について語ってきましたが、結局は「今必要だ!」と思った時こそが、英語の世界に入るベストなタイミングなのです。
少しでも早くその重要性に気づき、英語学習をスタートできるといいですね!
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